東京在住の休日資料館めぐりの後半を投稿します。新宿歴史博物館から駒場にまわり日本近代文学館を訪問しました。
前半の新宿歴史博物館についてはこちらをご覧ください。
曙橋まで歩き駒場東大前に向かいます。都営新宿線は京王に乗り入れるので乗換えは一度ですみます。
目的の文学館は駒場公園の一角。この公園は加賀藩主の血筋の前田利為侯爵の邸宅跡で、戦後はGHQに接収されたあと東京都が公園として開放したのだとか。そんなわけで公園の入口の門もこの通りご立派。
日本近代文学館は50年前に開設されたところなので建物は古いですが重厚感があります。何しろ初代名誉館長は川端康成、初代理事長は高見順といったラインアップです。基本展示は企画展のみでこの日は「芥川龍之介展」。先日の山梨県立文学館でも多く展示がありましたが、このところ縁がありますね。
展示室は決して広くはないですが直筆の原稿や手紙などが所狭しと展示されていました。この時代の手紙なのですが宛先や差出人の書き方などが興味深い。「団子坂 森林太郎」「青山脳病院内 斎藤茂吉」からだったり、芥川龍之介からの手紙は「東京市外田端」からでした。今年に入ってから神奈川、山梨と県立文学館に訪問していますが文学系の資料館はハズレがないですね。
新宿歴史博物館もお客さんが多いと思ったのですが、こちらはもっと多いです。それも食い入るように資料を見ている人が多くて、熱心な文学好きの人が訪れるところといった印象。
「BUNDAN」というカフェがあるのですが、そこも有名なよう。ちょっとのぞいてみましたが、たくさんの本に囲まれたこぢんまりとした不思議な雰囲気でした。昼近くでしたからほぼ満席。素人には近寄りがたいくらいの印象でしたが、空いている時間にきてコーヒーでも飲んでみたいと思わされました。
展示室の他にも300円での閲覧室があるのですが、ここには編集者や文学のプロのような人が通ってくるらしいです。行ったときにも受付の人に難しそうな質問をあれこれしている人を見かけました。
帰りは少し歩いて代々木上原まで行こうと思います。公園の逆側に出るので、木々の中を散策するとご覧の通りの前田邸の洋館。中には入りませんでしたが解説を読んで帰りました。
新宿、駒場とまわって代々木上原の駅に着いたのは14時過ぎお金をかけずにいろいろ勉強になったいい休日でした。ついつい東北や遠いところに目が行ってしまいますが、こんな日があってもいいですね。