平成29年7月に小さな旅で訪問した湯浅にある醤油資料館について投稿します。
和歌山県の湯浅町は醤油発祥の地で伝統的建造物を保存している地区があります。その中心を構成するのは醤油の醸造家でいまでも伝統的な製法を守るづつける「角長」というお店があり、古い資料や醸造用具を展示している醤油資料館も運営しています。
比較的新しいこちらの建物が新館で入場無料と良心的です。用具等々は正直わからないことも多かったのですが二階でみた歴史を紹介するビデオは勉強になりました。館員の元気なおばさんがいてあれこれ説明してくれます。すぐ前に入館してご夫婦に一生懸命説明していました。ここまで元気な案内だと直接密接されると当惑しますが、横でつまみ食いのように聞いているとちょうどいい感じでした。
館内は撮影禁止だったので画像はありませんが、以下気になった情報を箇条書きします。
醤油の塩分濃度
醤油の見た目の濃さから並べると、たまり→濃口→淡口という順番になるわけですが、塩分濃度の順番は逆とのことです。大豆や小麦といった原材料の配分でそうなるのだとか。昔聞いたような気がしますが、説明を見て改めて認識、納得しました。
樽はもう作れない
醸造は非常に大きな樽でされるわけですが、このような樽を作ることのできる職人はもう数十年前からいなくなっているそうです。完全に壊れたらどうしようもないのだとか。
帳面
昔は集金は盆と正月年二回だったそうで江戸時代からの帳面が展示されていました。売れた年はうず高くなります。
ご維新があったりでなかなか波が激しい。最も売れたのは日清戦争に勝利した年だそうで。ちなみに日露戦争に勝利した時期はペストの流行で全然ダメでした。
そもそも醤油がどのような工程でできるのかを理解しておらず古い民具などの有難みももう一つ感じられなかったというのが正直なところ。行きの電車の中ででも少し予習をしておけばよかったと後で後悔しました。
この後、向かいにある天保十二年創業の「角長」でお土産の醤油を買いました。
濁り醤 3年熟成 「匠」、無殺菌なので開封後は冷蔵庫で保存せよとのことです。冷奴や卵ご飯で使うととても美味しいらしく、食べるのが楽しみです。