大沢温泉、松川温泉峡雲荘と宿泊して最後は藤七温泉彩雲荘に泊まります。こちらも単身赴任をしてからかなりの頻度で泊まっていて定宿となりつつあります。
松川温泉から藤七温泉は八幡平樹海ラインで行けば20分程度です。道路陥没の影響で樹海ラインは不通なのですが、アスピーテラインで遠回りしたとしても一時間はかかりません。後生掛温泉、ふけの湯といった八幡平山頂秋田側の温泉は今年すでに二回くらい行っています。雫石、田沢湖を経由して乳頭温泉に日帰り温泉も考えましたが、あまりに遠回りで感心しません。
そこで、東北自動車道で青森方面に行って鹿角に出ることにしました。お昼に何か美味しいものを食べて、尾去沢鉱山に行こうと思います。
東北道を飛ばして鹿角八幡平ICへ。途中、ルームミラーを見ると後ろの車の屋根で赤い光がまわっているのに気づきます。覆面パトカーに追尾されていたのか?それほどスピードは出ていなかったので事なきを得ましたが、肝を冷やしました。
最初の目的地道の駅かづのは高速を降りてすぐ。比内鶏の親子丼ときりたんぽ鍋で迷いましたがきりたんぽにしました。
全然知らなかったのですが、きりたんぽの発祥は鹿角の説が有力とのこと。道の駅に専門店があり美味しく頂きました。
次の目的地は程近くにある尾去沢です。尾去沢鉱山は産出された金が奈良の大仏に使われたという古くからの伝説が残りその後も銅を中心に採掘された日本の中でも大規模な鉱山で、1978に閉山しました。
跡地は「史跡尾去沢鉱山」として一般公開されています。実は中学校の修学旅行で来たことがあります。当時は「マインランド尾去沢」という名前でした。その際は「マリンランド」と勘違いしてイルカショーでも見られるのかと楽しみにしていたのですが鉱山でした…そもそも秋田の山の中でイルカショーなど見られるわけがありません。
鉱滓ダムの跡や構造物の廃墟などいかにも鉱山のあったところらしい地帯を走らせて駐車場にたどり着くと谷間の平日月曜日というのに意外に車が多い。
最初は無料の資料館にだけ寄ろうと思っていました。観光坑道は2kmもの長さのある規模の大きいもので、1,200円と案外に高かったですが家族連れがノリノリで入っていくのを見て見学するのもいいかと思い入場することにしました。土肥金山よりも足尾銅山よりもよほど長くて見ごたえがあり、お値段分の価値がありかも。
鉱物が溶け込んだ熱水が岩盤の割れ目に地表近くで冷え固まった鉱脈型鉱床とのことで、断層に沿って細長く鉱脈が伸び、掘っていくとこのような上下に深い谷ができるのですね。
ジオラマもたくさんあってこちらは坑内事務所の様子。こうやって写真で見ると現役みたい。たくさん標語が張られていて、危険な現場では大切なことなのでしょう。
順路の終盤はなぜか時代がさかのぼって江戸時代の坑道の様子。観光坑道でよく見る手掘りのジオラマですね。
あとで調べたのですが、2026年度からは一般公開はなくなり修学旅行や社会科見学向けの完全予約制のガイド付きのみになるそう。この時のように自由に見学できなくなるので、この機会に行っておいてよかったです。
その後は併設の鹿角市鉱山歴史館も見学しました。折角鹿角まで来てここだけではもったいなかったので、やはり観光坑道には入ってよかったと思っています。
時間が余ったら他の温泉に寄ろうかと思ったのですが、思った以上に長い時間楽しめて、この時点で二時近く。この日の宿の藤七温泉彩雲荘に直行します。
八幡平山頂に登るアスピーテラインはいつも岩手側から登っていたのですが、やや食傷気味で今回は秋田側からなので走っていて楽しかったです。15時過ぎのちょうどいい時間にチェックイン。
この年4度目の藤七温泉。ちょっと泊まりすぎか?さすがに今回が最後です。以前は霧の中でなにもみえなかったり、激しい雨で露天はムリみたいなことも多かったのですが、今年は毎回天気に恵まれました。
昨年末に青森で吹雪で難儀したので、神様がお返ししてくれたにしても余りある感じです。景色の良い宿泊者専用露天風呂の側の駐車場からとった岩手山もきれい。
夕食の山の幸バイキングも山菜の内容が季節によって少しずつ変わって楽しい。相変わらずの山菜とネギをたっぷり入れた稲庭うどんがお気に入りです。
この日も野天風呂から満天の星空を楽しみました。かなり気温が低くて暗いところにある湯舟にはいけずちょっと物足りないか星座早見表を見ながらとも思ったのですが、風呂から出てしまうと寒くてどうしようもありませんでした。
翌朝の御来光がこちら。6月末の同じ位置からの写真は下の通りで、御来光すぐ右の山が今回の画像では御来光よりだいぶ左側に位置しています。あたりまえですがずいぶんと南寄りに位置が動いていますね。
下の写真は定点観測のようになっている朝のお掃除の時間に撮った野天風呂群。この日もいい天気ですが、真夏と違って日焼けを気にするほど日差しの強さはなかったように思います。思えば今年の5月にいったときはお風呂のすぐ上に大雪塊が残っていました。
この日はあまりゆっくりできず8時半ころにチェックアウトして盛岡市内に向かいます。というのも盛岡てがみ館で10時半から開催される戦後80年企画展「最後の海軍大臣 米内光政の手紙」ギャラリートークに参加申込をしています。
館長さんから展示物を中心に45分の解説トークを聞いたのですが、パネルの文字や資料を読むのとは違った趣があってよかったです。昭和天皇とのエピソードでは涙が出そうになって困りました。奈良の住所で申し込んだのですが「遠路はるばる」と言ってただけました。他にも愛知/千葉の方も参加していたそう。
締めは盛岡駅地下「明明家」の盛岡冷麺にしました。駅すぐの「盛楼閣」は行列ができていてもこちらは待たずに食べられます。味もこっちのほうがおいしいと思うのですがどうでしょうか?
辛味は別にして、最初は何も入れずに味わい、お酢や辛味を少しずつ入れて味を変化させて楽しみました。じゃじゃ麺もそうですが、盛岡名物はおいしく食べるのに習熟が必要なのではないかと考えてしまいます。
あとは「はやぶさ」で東京に戻るのみ。4連休を利用して夏休み並みの温泉旅を堪能してしまいました。藤七温泉の営業は10月いっぱいなので、次回は来年でしょう。大沢温泉、松川温泉といった定宿はまた来たいと思います。これからの季節は地熱暖房の温かい松川温泉峡雲荘が優勢かなーなんて考えています。
ここまでの行程については上記リンクからご覧ください。