田川市石炭・歴史博物館

平成30年のゴールデンウィークに訪問した田川市石炭・歴史博物館について投稿します。期待に違わぬ充実した展示でいろいろ感銘を受けました。

この前に行った飯塚市歴史資料館は規模も小さくこんなものかと思ったのですが、こちらは「石炭・歴史博物館」というだけあってはるかに充実した施設でした。もともとずーっと行きたかった博物館なのですが帰省する正月には閉館していて、今回GWで福岡に行く機会に訪れることができました。

外観

筑豊炭田の中でも最大の炭鉱、三井田川鉱業所伊田坑の跡地、石炭記念公園の中にあります。この日は暖かく公園も家族連れでにぎわっていました。
展示は石炭・炭鉱に関する資料がそれはそれは充実していて、まさに期待通り。石炭産業の歴史がきっちり体系づけられて学ぶことができます。

二階

館内は原則撮影禁止なのであまり写真はありません。こちらは二階の展示室の様子です。立派な入口のあるのが第二展示室で、こちらがユネスコ世界記憶遺産に登録されている山本作兵衛コレクションの展示室です。それほど上手な絵というわけではないのですが、併せて書いてある文章とともに炭鉱の実態を生々しく伝えてくれています。実際の労働者に見せても本当にこの通りであったと言わしめる内容らしく、世界記憶遺産に指定されるだけの価値があるとのこと。

画集

そんなわけで画文集を買いました。2000円でしたがこれからじっくり見ていきたいと思います。

ちょっと面白かったのが「炭坑節発祥の地」をしつこいほどにアピールされているところ。なんでもだれかのレコードの歌詞が「三池…」と替えられていて、三池炭鉱が発祥と誤解されていたとか、隣の後藤寺町とも論争があったけど確認できた云々いろいろ書かれていました。こだわりすぎだなーとも思いましたが地元にとっては重要なことですよね。

復元炭住

実はなによりも印象深かったのがこの復元された炭住。筑豊にしても夕張にしても、ずらっと並んだ炭住の陰惨とした写真がとても記憶に残っていて、あの中で人々はどう暮らしていたのだろうと思っていました。長屋の中は単身者用は六畳一間、世帯向けでも二間で、炭鉱労働者の生活を垣間見ることができました。

三井三池炭鉱の跡地にある大牟田市石炭産業科学館が教育的観点からの施設なのに対してこちらはより歴史的観点からの展示が充実していてこちらとしてはうれしい限りです。惜しむべくは帰りの時間が少し気になっていて充分見学できなかったこと。もう一回行ってもいいと思わされる博物館でした。

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