この日は瀬見温泉の喜至楼に泊まり、翌日は新庄市内を観光して帰路につきました。喜至楼は噂どおりのすごい宿でした。
陸羽東線は鳴子温泉⇔新庄間で昨年夏の豪雨のため不通となっており代行バスで向かいます。瀬見温泉駅前でバスをおりたところ、到着時間を知らせておいたので旅館のミニバンが迎えに来てくれていました。一人だけだったので恐縮です。
徒歩10分くらいの距離なので宿にはすぐついて、チェックイン。山形県下で最古の旅館建築とのことでレトロ感満載の館内は噂通りです。
キーを渡されて本館の三階に行けと言われ、大沢温泉に勝るとも劣らない迷路のような館内をめぐってたどり着いた部屋がこちら。4畳半の部屋も久々ですが一人ならこれで充分です。布団はすでに敷いてありました。
まずは館内巡り。レトロなだけでなくやたらと装飾が施されています。
本館出入り口にあった時計と置物
浴場の脱衣所の棚の上にあるクマと金太郎?
注意書きのフォントにしびれます。
とまあこんな感じで他の方々のブログをみると写真だらけになってしまうのも頷けます。
お風呂は三か所入れるのでまずは制覇しました。特に撮影禁止とは書いていなかったので写真をとってしまいました。
まずは少し離れた位置の別館二階にあるオランダ風呂。内カギがついていたから貸し切りにもできるのかな?五人くらいはいれそう。
続いて本館一階にある「千人風呂」と横にある「あたたまりの湯」
続いてこちらが「ローマ式千人風呂」。有名な酸ヶ湯温泉も千人風呂ですがそれと比べたら全然でせいぜい二十人くらいか?どこらへんがローマ式なのかはやや謎。一応混浴ですが、女性専用時間帯と男性専用時間帯が長くとられていて実質入替制ですね。お湯は中性のナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉とのこと。ほぼ無色無臭で熱めのお湯はお気に入りな温度でした。
早めの時間に夕食を食べたので、鳴子温泉の総菜屋で買ったおにぎりやお菓子などを食べていました。あとはテレビを見ながら読書や、wifiもばっちり入ったのでPCを使ったり、気が向いたら温泉にまた入ったりこれぞ至福の時。移動が多く疲れていたからか9時過ぎには寝てしまいました。
翌朝早く起きたので周囲を散策。
宿の全景を写真に収めます。こちらが本館。すごい作りですね。他の宿の人々も写真を撮っていました。
こちらがフロントのある別館。どっちがどう古いのかよくわかりません…
本館の並びはいかにも温泉街の光景でこんな感じ。正面に「せみの湯」という共同浴場があり、ひっきりなしにお客さんが来ていました。入力量は100円硬貨5枚だそう。500円硬貨は使えないということか?
そして建物その横に「薬研の湯」なる看板があります。その奥には川しかないのでなんなんだろうとおもって降りてみると…
こんな野湯がありました。脱衣所も何もなくこれはさすがに入れません。せめてどんなお湯か足だけでも入れようかと思ったのですが、霧雨も降っていて眩暈の持病のある身としてはちょっとムリ…ドボーンといったら一巻の終わりです(大袈裟!?)。なんでも義経の奥州逃避行の際に弁慶が見つけたお湯との伝説があるのだとか。
朝食の予約の時間になり会場に向かいます。フロント横の会議スペースのようなところに研修所の机のようなものが並んでいてこれもやや不思議な光景。
朝食はこちら。特に目新しいものはなく普通の旅館の朝食です。二食付きで宿泊の場合はこのほかに焼き魚があるようで、差がつけられているようです。
かなりの部屋数があるのですが、全部は使っていないようです。若い人が5,6人一人で泊まっていたので不思議に思っていたのですが、自動車学校の札が出ていたので、合宿免許の宿で使っているのでしょうか?
大沢温泉をはじめレトロな温泉宿には好んで泊まっているわけですが、新たな宿を発見した気分です。他にも書ききれないポイントがあったりで残念に思うくらい。
瀬見温泉喜至楼をチェックアウトして瀬見温泉駅に向かいます。駅までは10分程度なのですが、景色がいいうえにあちこちに義経伝説の見どころがあり、読みながら歩いたので退屈しませんでした。
瀬見温泉駅からは代行バス。鳴子温泉からのバスは観光バスを借りたような車で乗り心地もよかったのですが、この日はJRの路線バス?しかもほぼ満席でようやく座れるくらいでした。途中の駅に立ち寄りながら遠回りしていくので列車よりかなり時間がかかっているはず。災害を理由に廃止になるわけではなく復旧工事が始まるそうなのですが、早く開通してほしいと思います。
新庄駅に到着してまずは荷物をコインロッカーに預けます。観光案内所で街歩きマップをもらってまず向かったのは新庄城址。
戊辰戦争の際に庄内藩に攻められてほぼ焼けてしまったそうですが、今は公園になっています。藩主の戸澤氏の名前を冠した戸澤神社にお参りします。
次に向かうのは近くにある新庄ふるさと歴史センター。事前に調べたところ新庄の歴史や生活などの展示があるとのことでしたが、新庄まつりの山車などの展示だけでした。どうしたのだろうとおもったら、昨年夏の豪雨で浸水被害があり再開したばかりのよう。あまり見るところも多くなかったので10分ほど見学して休憩して早々に後にしました。
もう一つ行こうと思っていたのが雪の里情報館というところ。すでに疲れてきていて、10分以上歩くこともあり逡巡していました。駅までバスに乗れれば楽かと思って調べたところ、平日に一日一本という長閑散路線で使いようがありません。とはいえ、ここで駅に戻っても時間が余るだけなので意を決していくことにしました。
こちらが雪の里情報館の外観。廃校あとかなにかとおもったのですが「農林省積雪地方農村経済調査所」という役所の建物だそう。
無料でしたがここの展示は見ごたえありました。「雪害」という言葉は昭和初期くらいから使われはじめたそうで、どれだけ雪に苦しめられても税金が安くなるわけでもなく、雪国の生活の改善策を研究する必要があったとのこと。そうした活動を続けてきた代議士の方の展示などは興味深かったです。
新庄駅までは20分ほど歩きます。すでにかなり歩いていたので疲れていましたが、代替手段はないので頑張って歩きます。知らない街を歩いているとみるものすべていろいろ面白く、来た道とは違う道を選んだのでそれほど苦にはなりませんでした。
新庄駅お昼を食べようと思ったのですが、お店自体の数も少ないうえに12時過ぎで、どこも満員でした。仕方なくお弁当でも買おうと思います。「牛肉どまんなか」という有名駅弁もあるのですが、どれも1000円越えで手が出ず、物産館で売っていたおこわ&いなり寿司350円で済ませます。とはいえ、温めてもらったお弁当、特にキノコの入ったおこわはおいしくて満足でした。
新庄からは「つばさ」。ホームに止まっている列車をみると旧式のE3系。ちょっと残念と思って乗り込んだのですが予約していた一本前の列車でした。危ない危ない。
気を取り直して40分後の列車を待ちます。今度は嬉しいことに新型のE8系。前の電車がちょっとくたびれている感じだったのですが、
こちらは新しくて気分いいです。
東京までは約4時間。青森よりも時間がかかってしまうのですが、何しろ在来線区間の福島までで2時間かかるのですね。とはいえ特に急ぐこともないのでのんびり車窓を楽しみながら帰ります。日曜日の山形新幹線は混んでてこの列車前後含めてすべて満席とのことでした。
ちなみに今回買った復路の乗車券は花巻→東京都区内で、古川→陸羽東線→新庄→山形新幹線というルート。これで、株主優待の40%引きなので結構安くなったはずです。
瀬見温泉までの行程は下記リンクからご覧ください。
最近の旅は定宿の大沢温泉に金曜日泊まって、土曜日はその手前で少し寄り道をするパターンが多くなっています。今後もいろいろ案があるので試してみたいです。