先日訪問した大阪府唯一の村、千早赤阪村の郷土資料館について投稿します。中世の歴史に多少でも興味のある方ならなじみのある地名ではないでしょうか。
千早赤阪といえば楠木正成が鎌倉時代晩期に後醍醐天皇の倒幕計画に加担して、幕府軍の30万もの軍勢を寡兵で守り切った千早城ほか山城のある地です。この郷土資料館も楠木正成関連の展示が主だったところです。
楠木正成は明治から「忠臣」「日本人の鑑」などと戦前の修身教育で讃えられていて今でも人気が高いようです。
一階の展示室は城跡の発掘調査の資料や、村内のジオラマ、山城での籠城戦の様子などが展示されています。太平記をベースにした絵巻物が面白くて、攻め手を熱湯をかけて撃退した絵や、兵糧攻めをしている幕府軍が手持ち無沙汰になり遊女を呼び寄せて遊びほうけている絵などなかなか生々しいです。
二階の展示室は一般的な郷土資料館的な林業の道具や農具、民俗資料がありましたが、面白かったのはこの地で一時期盛んだった凍り豆腐の展示。いわゆる高野豆腐のことですが地理的条件や環境が生産に向くそうで盛んに作られて大阪に出荷されていたそう。ただし冷凍庫が普及してしまうとどこでも作れるようになり衰退し、今は作られていないとのこと。
入口でいろいろ売られていたので楠木正成の家紋や旗印として使われていた菊水の紋のはいった何かを買おうと思います。タオルやトートバッグなどがありましたが、買ったのはエコバッグ380円。安くて記念になると思ったからですが、広げてみるとあまり実用性はなくどこかに予備としておいておこうと思います。
それほど充実した展示というわけでもないですが、充分満足しました。先日訪問は四條畷市の資料館にも行ってきたので図らずも楠木家づいていますね。今度は湊川神社にでも行こうかと思います。