先日訪問した東近江市の近江商人博物館について投稿します。それほど規模の大きい博物館ではありませんが、しっかりした展示内容で面白かったです。
五箇荘駅からそこそこの距離を歩いてたどり着いたのですが、入口に不穏な貼紙があります。読んでみると空調整備の修繕のため当分の間博物館は閉館とのこと。いきなり絶句してしまいましたが、近江商人博物館は未だ開館していると言うことで安心です。同じ建物にある中路融人記念館というのもありこちらは閉館でした。地元出身の日本画家で綺麗な絵を描いているようで残念ではありますが近江商人のほうが主目的なのでまあいいでしょう。
1階の受付で最近は当たり前のようになってきた連絡先の記入をして入館します。3階の大部分がこの博物館で占められいます。中世から活躍を開始して江戸時代には日本全国で活躍した商人集団である近江商人の歴史が展示されています。なんといっても「売り手により、買い手によし、世間によし」の「三方よし」は今の世に通じる理念でありましょう。鎖国成立前には東南アジアとも交易を広げていたとは驚きました。
展示の中でも特に興味深かったのは、商人に嫁いだ女性の暮らしや、丁稚から一人前の商人になるまでの一生をたどった身近に感じる展示。また対抗する別地域の商人との諍いなど現実的なところも印象に残りました。
企画展では野口謙蔵洋画展が開催されていました。この地出身の昭和初期の画家ですが帰りの電車の時間が気になりこちらは軽く見学するにとどめました。近江商人博物館は期待以上に面白かったです。総花的な市の博物館よりテーマに絞った博物館はやはり面白いものだと実感しています。