令和三年夏の東北一人旅で訪問した花巻市石鳥谷の歴史民俗資料館と農業伝承館について投稿します。いかにも地域に根ざした資料館で面白かったです。
石鳥谷は岩手県中部にある街で旧石鳥谷町が市町村合併で今は花巻市になります。国道4号線沿いの道の駅「石鳥谷」にいくつかの資料館がありその中の歴史民俗資料館と農業伝承館に訪問しました。
まずは歴史民俗資料館でここは酒造りが盛んで南部杜氏の中心地と言われており、そのテーマの展示がメインになります。館内はいるといきなり目に入るのは大きな樽。
一方は一般的な町の考古歴史の展示でした。一方はたくさんの酒造関連の器具の展示。おいしい日本酒を造るために必要なのはおいしい米ときれいな水とのこと。新潟や灘なども確かにそういうことになりますかね?残念ながらお酒は飲めないので日本酒の味比べと言われても無理なのですが昔からの酒造りについて学びました。
世界の酒造というコーナーもありここもなかなか面白い。アルコール度数80%以上の云々などとても手が出ないわけですがなめてみるだけでも試してみたらどうなるかなどと考えてしまいます。
その後歩いて数分のところにある農業伝承館に向かいます。こちらもなかなか立派な建物ですね。正直申し上げるとこちらの方が面白かったです。このような資料館はテーマが絞られていた方がより興味深くなるということなのでしょうか?
こちらは主に米作りやその器具などの展示が主なものです。宮沢賢治はこの地域にも農業指導者として訪れていて、その一場面のジオラマ展示なども興味深いものでした。ほか地域学習で機織り体験ができます。「北向きに寝るな」などおばあちゃんのいましめや知恵なども面白かったです。
身につまされるのは冷害についての展示。昭和に至るまで東北地方の冷害は何度もあり明治以前で餓死者もたくさんとのこと。「やませ」が吹くと凶作、飢饉という流れになり、あの宮沢賢治も凶作の際にはオロオロ歩き農家に頭を下げてまわっていたとの記述もきになりました。
最後に最も見入ってしまったのがこの写真。昭和30年代の嫁入り写真とのこと。和服で着飾ったお嫁さんと付き添いの親族と見守る人たち。しかし足下はドロドロの土です。汚してしまったらどうなるのだろうなどというのも余計なお世話ですがこのときのお嫁さんの心境やいかに、などと考えて長々とみていました。農業の伝承とは直接的な関わりはないような気がしますがこういう展示があるから資料館巡りはやめられませんねぇ。