先日の紀州九度山小さな旅で訪問した松山常次郎記念館について投稿します。それほど有名な人ではありませんが、九度山町が輩出した戦前の政治家です。
九度山・真田ミュージアムのすぐ近くにあります。松山常次郎は戦前の政治家で平山郁夫画伯の義理の父ということです。入館すると誰もいなくて心配しましたが、しばらくして館員さんが出てきて「平山郁夫の絵などはありませんが大丈夫でしょうか?」との親切なご忠告を頂きます。
館内の展示は書簡や写真、遺品などですが、アメリカへの留学や海軍の政務次官の経験からか海外に積極的に出かけていることが印象的。もともとは工学士の実業家なのですが、詩心もあり理文問わずの才能を有していたように思います。
気になったのがこの建物を記念館にする前の写真。普通の雑貨屋のようですごく懐かしい感じ。いろいろ説明したそうにしていた館員さんにその写真のことを尋ねると、生家は築150年にも及ぶもので雑貨屋を畳むときに取り壊そうとしたが、平山画伯と町の援助で記念館として残すことになったことの経緯などを教えてもらいました。
真田ミュージアムのついでみたいなこと言ってゴメンナサイというと「このような方が九度山出身ということを知っていただけるだけでうれしいです」とのこと。親切で感じのいい館員さんでした。頂いたパンフレットに記された娘さんで平山画伯夫人の「松山常次郎記念館を作るにあたって」を後で読んだのですが、九度山町に対する思いがよく伝わるいい文章だと思いました。